落ち込んだり傷ついたり、悩みを抱えたとき、海を眺めたくなることがあります。
寄せては返す波の動きや音、目の前に悠然と広がる水面は、いつでも私たちの疲れた心にそっと寄り添ってくれるでしょう。
そんな海とそこに住む生き物たちは現在、さまざまな危機に瀕しています。
増え続ける海洋プラスチックごみ、埋め立てや浸食による砂浜の減少、乱獲がもたらす魚や貝などの水産資源の枯渇。世界規模で進むサンゴの白化現象は、温暖化による海水温の上昇が原因の一つといわれています。
人々を守り、支えてきた海を、今度は私たちが守っていく番です。
7月22日は、豊かな海洋環境に囲まれた日本が、その恵みに感謝する国民の祝日「海の日」。
この特別な1日に、海を守るために一人ひとりにできるアクションを、ヒョンデと一緒に考えてみませんか?
都心から遥か南に1000km、“太平洋に浮かぶ東京都”の小笠原諸島。
そこで、海洋生物の保全や調査を行うNPOでボランティアとして活動しているのが、大学生の渡辺こころさんです。
渡辺さんは東京工業大学生命理工学院の卒業を間近に控えた2021年春、大学を休学して1人、小笠原諸島へとやってきました。
いったいなぜ海の生き物を守る最前線に立とうと決めたのでしょうか?
「人生を考え直したタイミングで、『私は海が好きなんだ』って気づいたんです」
遡ること2年前。大学で研究室を選び、無事に配属が決定。その研究内容をもとに、大学院へ進学する──ほとんどの学生がそうした道を歩むなか、渡辺さんはこのままでいいのか不安を覚えたと言います。
「このまま研究を続けて大学院に進学し、優良企業への就職を目指す。そこに人生の意味を見いだせなくなって、大学に通うのがつらくなっていました」
自分にとっての幸せとは?これまでの人生を振り返ったときに、心に浮かんだのは「海」でした。
5歳から競泳を続けてきた渡辺さんには、水の中にいる時間、なかでもさまざまな表情を見せる海で泳ぐことは幸せそのもの。「海は私にとっての好奇心の源であり、いつでも自分の原点に戻り、自由になれる場所」だと言います。
「そんな海の重要性に気づき、自分の人生を通して関わっていきたいと考えたときに初めて、海が抱える問題に目が向くようになったんです」
そこからどんどん海を守るアクションを始めた渡辺さん。
SNSでの発信にとどまらず、気候変動デモへの参加や、自ら海洋ゴミを拾うイベントも主催しました。
2020年の初めには、Instagramで偶然知った国際環境NGO団体のSustainable Ocean Alliance(SOA:サステナブル オーシャン アライアンス)日本支部であるSOA JAPANの立ち上げにジョイン。メンバーとして、海の環境や生物に関するトークイベントに登壇するなど、「持続可能な海」をテーマに積極的に発信を続けています。
机に向かう研究だけでなく、フィールドワークもしながらの海洋生物学を研究する道に進もうと、ダイビングのライセンスも取得。より深く海洋問題を学べるようにと、海外の大学院進学も視野に入れていた矢先、コロナ禍がやってきてしまいます。
「新しい進路に舵を切ろうとしていたら、お先真っ暗になってしまって…。だから今は、将来を考える時間だと割り切りました。思い切って休学して、海洋生物保全のボランティア活動に応募してみたんです」と渡辺さん。
小笠原諸島に来て、海洋生物たちの世話や生態解明の調査に励む生活に、「目の前にいつでも泳げる海があるだけで、幸せになれる。これが自分の理想の暮らしだと気づいちゃいました」と笑顔を見せます。
いつでも大好きな海が傍にある環境で、満たされた暮らしを送る渡辺さん。
さまざまなアクションを起こしてきた彼女に、海のためにできるアクションについて質問すると、「“無意識に芽生える環境意識”が重要だと最近考えていました」とちょっと不思議な答えが返ってきました。
「私なりに『何かアクションを』と、さまざまな活動に取り組んできましたが、小笠原に来て、その感覚が変わりつつあります。これまで都会に暮らすなかで『自分がやらなきゃ』といったプレッシャーというか、プライドがあったんです。でも小笠原に来て、海のための行動っていうのが、“生活の当たり前”になったんですよね」
アクションと言うとつい身構えてしまうけれど、小笠原諸島に暮らす人々は、ごく自然に環境保護につながる行動ができているのだそう。その背景を渡辺さんは、こんなふうに考察します。
「きっと自分は海や自然とつながっている“生態系の一員”だ」という意識があるのでしょうね。
渡辺こころ
「だから、ご飯を残さずに食べるとか、水をむやみに流さないとか、ゴミを減らすといった、自分たちの生活の中の些細なことにも意義を見い出して動けるのかな、と」
自分たちの生活の中から自然を守ろうとする意識や、生活の中での行動一つずつが何よりも大切──数々のアクションに取り組んだからこそ、改めて“小さなアクション”の意義に気づいたのです。
「馬鹿げて聞こえるかもしれないんですけど…」そう前置きをして、渡辺さんは理想のライフスタイルを“人魚”と表現しました。
「海と人間の世界を行き来して、どちらの状況も理解し、海と人をつなげる人魚のような存在になりたいんです」
今後については、都会と小笠原の2つの視点を持てたからこそできる発信を模索しながら、理系の知識を活かして、科学的な根拠に基づくアクションがとれるようなサポートをしていきたいと意欲を見せます。
あなたが今、海のためにできるアクションとは何でしょうか?
たとえばレジ袋を断る、マイボトルを持ち歩く、環境に配慮した製品を選ぶ、クリーンなモビリティに乗る…生活の中を見渡してみると、そこには海へとつながるアクションの選択肢が無数にあることに気づくはずです。
東京工業大学生命理工学院にて、自分にとっての海の大切さに気づき、大学を休学し小笠原諸島に滞在。
SNSやイベント企画を通して海の大切さを発信する他、国際環境NGO団体SOA(サスティナブルオーシャンアライアンス)の日本支部の立ち上げに参加し、持続可能な海をテーマにした様々な活動を行っている。
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