唯一無二の個性、ずば抜けた頭脳、誰よりも優れた身体能力……。
そんな特別な力を持つ者だけが、“ヒーロー”になる時代では、もうありません。
未来の英雄は、今日の私たち自身です。
より良い地球の未来には、たくさんのアクションが必要です。
たとえばヒョンデが、クリーンで環境にやさしいモビリティを追求し続けているように。
英雄を待たずに私達が英雄に──そんな想いで動き出している人たちがいます。
今日から一人ひとりにできるアクションを、私たちも一緒に考えてみませんか?
食料自給率3505%、再生可能エネルギー電力自給率1092%──
日本有数の“サステナブルな町”。
そう呼ばれるのが、北海道の十勝19市町村の一つ「上士幌町(かみしほろちょう)」です。東京23区よりも広大な約700平方キロに人口5000人弱、そしてその7倍近い約3万4000頭もの牛たちが暮らす自然豊かな町です。
そんな上士幌町役場で、ICT推進室長を務める梶達(とおる)さんは言います。
「今でこそ、こうしてSDGsや地方創生のモデルとして注目いただいていますが、私が働き始めたばかりの約20年前には、取り立てて何もなかったんですよ」
“何もない町”からの一大転換の陰には、1人のヒーローの姿がありました。
そのヒーローとは、竹中貢(みつぎ)町長です。奇しくも梶さんと同じ20年前に上士幌町リーダーとなった竹中町長は、いったいどんな人なのでしょうか?
「一言で言うと、発想力の人です。町長はいつも『資源がないことこそ資源だ』と話しているんです。たとえば、ちょうど私が入庁した頃に全国で初めて『スギ花粉リトリート(疎開)ツアー』を実施したんです。スギやヒノキは国内でも重要な森林資源です。上士幌町にはそんな資源となるスギの木が1本もありません。しかし、スギがなければ、花粉も飛ばない。そこが花粉症に悩む方々にとっては価値になると町長は考えました。スギの木がない上士幌町で快適に過ごしてもらいながら、同時に北海道大学での免疫研究にも役立ててもらいました」
何もないことすらも、資源にできるはず。
何もなくても、それは強みになる。
-竹中町長
上士幌町にあるコンクリートアーチ橋「タウシュベツ川橋梁」も、元は旧国鉄・士幌線が廃線になり、捨て置かれたもの。これも上士幌町は資源に変えました。
役目を終えた橋の解体処分には何十億もの費用がかかります。しかし、研究者や町民からの声もあり、貴重な観光資源として保存することを選んだのです。
とはいえ、補修や維持管理をしていくとなると、町の財政の負担も大きいはず。そこで上士幌町では、あえて保存措置を取らずに、橋が少しずつ自然の中で朽ちていく姿をありのまま見せています。
糠平(ぬかびら)ダムの影響でできた人工湖に沈むコンクリートアーチ橋は、湖の水位の変化によって姿を現す“幻の橋”とも呼ばれ、今では北海道遺産にも選ばれ、人気の観光スポットとなっています。
そして現在、再生可能エネルギーとして注目を浴びているバイオガス発電も、もともとは町にとっての課題を転換して生まれたと言います。
「酪農は上士幌町を支える重要な産業である一方で、日々の家畜ふん尿の処理は、大きな課題でした。このふん尿も資源と捉え、エネルギー地産地消を目指して導入したのが、バイオガスプラントです」
ここで発電された電気はもちろん、発電時に生成される消化液も肥料として草地や畑地に活用。資源循環型の農業を実現しているそうです。
「竹中町長をはじめとする私たち役場は、サステナブルな上士幌町を作るために、さまざまな取り組みの種をまいています。それを大きく育てていくには、農家さんや林業に携わる方など、住民の方々の協力が不可欠です。
梶さんが言うように、上士幌町のサステナブルな取り組みの数々は、町長一人の力だけでは決して実現のできない大規模なものも少なくありません。いち早く「持続可能な社会」を理念に掲げてきた上士幌町は、どのように町民からの支持や協力を得たのでしょうか。
ここにも「みんなが同じ方向を向くために、竹中町長の発想が活きているんです」と梶さん。
「町にとって当たり前になってしまっていることでも、大きな価値があるのだと、町民に気づいてもらう工夫をしています。その一例が数字の見せ方ですね。
『食料自給率3505%』や『再生可能エネルギー電力自給率1092%』といった謳い方って、町の外に向けたPRであると同時に、町民にとって『自分たちはすごいんだ』という自負にもきっとつながっているんですよ」
最近また一つ、竹中町長のアイデアで試算をしてみたのが、CO2吸収量。約76%が森林を占める上士幌町では、「5000人が排出する温室効果ガス97年分を、1年間で吸収可能」という結果が出たのだそう。こうしてわかりやすく伝える工夫が、役場の取り組みに賛同する第2、第3のヒーローを巻き込み、より大きいサステナブルな活動を起こす原動力になっているのですね。
「地方と都市をつなぎ、交流の拠点として出会いの場所のような場所になっていけたらと思っています」東京での生活を経て、現在上士幌シェアOFFICEを運営する、ICT推進室の辻さんはそう語ります。
「活気があってイキイキとした町になって欲しい」
そう語るのは酪農家の髙木さん。
髙木さんは帯広、そしてニュージーランド留学を経て、上士幌に戻り、放牧式の酪農に取り組んでおります。
人口流出・少子化が進み、多くの自治体が人口減少に悩んでいます。全国の自治体の約半数にあたる896の市区町村が、将来存続できなくなるおそれのある「消滅可能性都市(※2040年までに、20~39歳の女性が半減すると推計された都市)」に該当するといわれています。2014年に発表されたその中に、上士幌町も名を連ねていました。
しかし、少しずつ子育て世代の移住者が増えるなど、2018年には右肩下がりだった人口が5000人超まで回復。
「なぜ上士幌町がサステナブルな町を目指すのか。それは、未来に責任を持つことと同義です。今ある、今以上の環境を未来につなぎ、子や孫が笑顔で暮らせる町を残し続けたい。すべてはそのための先行投資だと、町長はよく話しています」
現在は、さらに未来を見据えて次世代モビリティを活用した自動運転EVバス導入の実証実験にも取り組んでいるという上士幌町。地元のバイオガスから生まれた電力が、町民の足となる──そんなエネルギーの地産地消が、そう遠くない未来に実現するのでしょう。
「正直なところ、20年前に上士幌町の役場に入庁したのは、たまたま募集があったからなんです。でも、今は違います。可能性にあふれるこの町で働いていきたいと、心から思えます」
今ある、今以上の環境を未来につなぎ、子や孫が笑顔で暮らせる町を残し続けたい。
渡辺こころ
“何もない”といわれた町は、20年でサステナブルな町へと生まれ変わりました。地球が持続可能になるには、未来を描くもっとたくさんのヒーローたちが必要です。あなたの見つめる次の世代には、何が見えますか?
大学卒業後、2001年~上士幌町役場に勤務。2013年に北海道への移住を推進する「NPO法人住んでみたい北海道推進会議」へ出向、その後、ふるさと納税担当主査、企業誘致担当主幹を経て、現在、2020年に設置され、町のICT化や新たなビジネス創出に取り組むICT推進室の室長
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